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グローバルに展開できる製品を生み出し、除草剤事業を大きく育てたい

研究開発本部 
農業化学研究所
生物評価グループ 
除草剤チーム
K.H.
農学生命科学研究科 
応用生命化学専攻 修士課程修了
2020年入社

グローバルに展開できる製品を生み出し、
除草剤事業を大きく育てたい

「原体探索」と「製剤開発」で、
製品開発の上流から下流までフォローする

除草剤の研究開発で生物評価グループとして主に2軸で業務を行っています。1つ目は「原体探索」で新しい除草剤の有効成分の候補となる化合物の探索です。有機化学グループと連携することによって、雑草を枯らすポテンシャルのある化合物を見つけ、さらにその化合物の薬効や物性を最適化し、実圃場で雑草の防除ができる除草剤原体に育てていきます。私の仕事はその過程において、植物を使った試験を実施し、その化合物の薬効や特徴を正しく評価し、その化合物を開発していく上での方向性を提案していきます。

2つ目は「製剤開発」で、原体を粒剤、液剤などに加工し、現場で使用できる製品かどうかを評価するものです。まず製剤グループが製剤の処方を検討し、試作を行います。私の仕事は、この製剤が現場で使用できる薬効をもっているか、水中や土壌での拡散性など、目標とする特性をもっているかを評価することです。

私の場合は、除草剤の研究開発全体を見渡しつつスキルを高めていきたいとの思いから自ら希望し、原体探索と製剤開発の両方を担当しています。
入社当初は必要な知識も経験もありませんでしたので、当然失敗もしましたが、上司は、まず私にやらせてみて、足りないところはフォローするという、私の主体性を尊重しつつ丁寧な育て方をしてくれました。おかげで、2〜3年目頃からは重要な開発テーマを任せてもらえるようになりました。

K.H.様

相手の意図を理解して評価を返し、
開発・探索を効果的に進める

製剤開発は製剤グループの要望を理解した上で的確な条件で試験を行い、結果のデータを提供して開発を効果的に進めていきます。
原体探索は、その化合物が土に撒く土壌処理剤に向いているのか、植物の茎や葉に散布する茎葉処理剤に向いているのか、あるいは農作物には安全で雑草だけに効くタイプなのか、植物をすべて枯らすタイプなのか、どの作物にどのタイミングでどういう処理方法で使えるのか等々を、試験データを基に判断し、合成チームと議論しながら化合物の方向づけをしていきます。

私が最初苦労したのは、異なる部署の人たちに自身のデータを上手に伝えることでした。 生物や有機合成、製剤など、担当部署が異なれば専門性も全く異なりますので、相手が何を求めているか理解し、こちらがどのようなデータをとり、どういうフィードバックをするかというコミュニケーションが何より大切です。経験を積み他部署の研究員相手にも的確なコミュニケーションによって、原体の探索と製剤の開発をよりスムーズかつ効果的に進めていくことができるようになったのが、私の成長だと思います。

また原体探索と製剤開発の両方に携わることによる相乗効果もあります。原体探索では、主に温室内で小さなポットを使用して試験を実施することが多く、一方製剤開発では主に実圃場を使用した試験を実施します。温室内と実圃場では条件が大きく異なるため、温室内と圃場で同じ効果が出るとは限りません。温室では高い効果を示しても、圃場では思うように効果が出ないことも多々あります。そういった状況に直面しても、両方の経験を積んでいることで原因をより深く考察し、次の検討へと応用していくことができます。

将来は、世界市場に展開できる除草剤を開発し、
研究開発をリードしていきたい

今の自分に不足しているのは現地での経験です。今後は農業の現場で除草剤を使っている方たちから感想や評価、「こういう除草剤がほしい」などの要望をたくさん聞き、それを製品開発に活かしていきたいと思います。キャリアステップとしては、一度開発やマーケティングなどで製品を企画する立場、売る立場の経験を積んでから研究所に戻り、最終的には除草剤分野のマネジメントを担う存在になりたいと考えています。

当社の除草剤はまだまだ成長の余地があり、特に海外市場を開拓することで、事業を大きく成長させることが可能です。そのためにも、様々な国に行ってどんな雑草があり、どんな薬剤がどのように使われていているのかなど、現地のリアルな情報を入手しながら、グローバル市場に展開できる除草剤を開発していきたいですね。