r&d

home  >  r&d  >  development process

製品の開発から上市まで

農薬は、有効成分である原体の発見から製法の確立、登録取得、製造、市場へのマーケティング、販路の確立など多くのプロセスを経て、農業に携わる方々に届けられます。原体の探索開始から上市まで10年から15年もかかる、そのプロセスをご案内します。

化合物探索

合成農薬探索

化学農薬の原体創製は、デザイン、有機合成、生物評価のサイクルを回す化合物探索から始まります。デザインでは、計算科学的手法も活用しながら化学構造を設計し、デザインした化合物を合成し、実際の防除対象生物・保護対象生物を使って性能を評価します。併せて、基礎的な毒性評価や環境影響の評価等を行います。

このサイクルにより有望な開発候補化合物を絞り込みます。開発候補化合物は、実用化に向けた性能試験、工業生産に向けた検討、登録申請の為の各種試験を経て登録申請を行います。最終的に登録取得を取得した後、上市にいたります。

天然物農薬探索

天然物農薬の原体創製は、有望な生物活性を持つ微生物二次代謝物の探索から始まります。多くの成分を含む微生物の培養物から有望な成分を含むものを選抜します。その選抜過程においては、目的とする薬剤に適した性質を持った化合物を取得できるよう、生物評価担当と精製担当の研究員とのチームワークで、培養液に含まれる既存の化合物を排除して新たな有効成分を絞込みます。絞り込んだ有効成分は化学構造の決定、性能評価、安全性評価等の高次の性能の確認を進めていきます。

多くの天然物農薬の場合、その生産手段は微生物の発酵によります。そのため、生合成遺伝子の同定、生産菌株の開発、最適な培養条件の検討も行います、培養のスケールアップは極めて難易度が高く、重要な検討となります。
実用化に向けた各種試験、登録申請、工業生産検討、最終的な登録取得は合成農薬と同様に行われ、上市にいたります。

関連する研究所

  • 農業化学研究所(茂原)BSRC(茂原)

    農業化学研究所(茂原)BSRC(茂原)

    *BSRC:バイオロジカルソリューションリサーチセンター

  • 農業化学研究所(野洲)

    農業化学研究所(野洲)

関連する社員

安全性の検討

近年、農薬の安全性に対する要求が極めて高くなり、安全で、環境影響の少ない農薬を開発することは農薬メーカーの必須の使命となっています。開発化合物は環境中での挙動(残留・代謝)や保護対象生物に対する影響(有用昆虫等への影響も含む)を詳細に調べ、安全性と環境影響を評価したうえで、ニーズに適した農薬を世の中に出します。

  • 関連する研究所

    農業化学研究所(茂原)

    農業化学研究所(茂原)

  • 関連する社員

    A.S.様

実用性の検討

当社では、日本国内のみならず、全世界で通用する農薬の開発を続けるため、さまざまな国・地域で実用性を確認します。当社では国内・タイの研究拠点に加えて、世界各国のパートナーと協力し、それらの作物における病害虫・雑草に対する効力や剤の特徴を調べる体制を整えています。

製剤化検討

いかに優れた原体であっても、それだけでは製品にはなりません。実際に農薬として使用するために、製剤化の技術検討を行い、性能に加えて、安全性や環境負荷の低減を加味して、お客様のニーズに対して、最適な製剤を開発します。

  • 関連する研究所

    農業化学研究所(野洲)生産技術部(野洲)

    農業化学研究所(野洲)生産技術部(野洲)

  • 関連する社員

    Y.O.様

原体製法検討

高品質な原体を安定的・継続的に生産することは、農薬メーカーにとって極めて重要な課題です。当社では研究所と工場が一体となって、小試験での技術確立を行った後、パイロット試験、工場の建設を通して、量産体制を確立します。

  • 関連する研究所

    生産技術部(大牟田)

    生産技術部(大牟田)

農薬登録の取得

農薬を製造・販売するためには、農薬登録を取得することが必要です。対象となる農作物と病害虫に対する農薬の有効性、環境や生態系、人体に対する安全性等の膨大な試験データを準備し、関係当局の審査やその過程における当局担当官との綿密なやり取りを経て、農薬の使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数などの用法が規定され、ようやく「農薬」として登録を取得できます。

関連する社員

R.K.様

上市