top message

home  >  top message  >  CTO

会社成長の駆動力となる
製品・サービス・技術の継続的創出を通して、
社会課題の解決に貢献する

青木 要治
取締役 
常務執行役員
CTO
(Chief Technology Officer)

会社成長の駆動力となる製品・サービス・技術の継続的創出を通して、社会課題の解決に貢献する

研究開発本部は会社の成長ドライバーそのもの

三井化学クロップ&ライフソリューションでは、クロップソリューション事業(CS)で食糧の確保、ライフソリューション事業(LS)でQOL向上や伝染病撲滅など、2つの主力事業が、人類が直面している人口増加や気候変動などがもたらす社会課題に対しての貢献を重要視しています。

成功の鍵となるのは、競争力の高い製品・技術・サービスを生み出し続けることです。
研究開発本部は当社の成長ドライバーそのものであり、研究開発力で会社の競争力を強化する重要な役割を担っています。営業部門や生産・調達部門と協力し、国内外のパートナーと積極的に連携しながら、地域や用途に即した製品開発を行うことで、事業拡大へ貢献することが求められています。

研究開発戦略

研究開発戦略の中核は「革新的原体の 創出」・「マーケットイン型の製剤開発」

我々の役割は、「革新的な新規原体(農薬の有効成分)の創出」と「マーケットイン型の製剤開発」により、事業価値の最大化を図り、当社の自力成長の駆動力としていくことです。我々はこれまで、数々の優れた原体を次々開発し、農薬業界でグローバルな存在感のある企業へと成長しつつあります。

近年、製品の「安全性」や「低環境負荷」への要求は世界的に厳格化しています。製品開発の難易度は厳しさを増しており、我々は必要な技術の高度化に力を注いでいます。技術革新の方向性は、我々が長年得意としてきた「化学農薬の安全性・環境負荷低減の追求」に加え、天然物関連技術による「バイオソリューションの強化」の両輪で構成しています。
重要なのは、過去の研究成果と技術力を受け継ぎ、そこに新しい研究成果と技術力を加えて、次世代に引き継いでいくことだと考えています。これらの弛まぬ技術革新に加え、原体創製機能と製剤開発機能の両輪がうまく機能して初めて事業成長への貢献が可能であり、両者の有機的な繋がりを重視して研究開発本部を運営しています。

研究開発本部の組織は、様々な役割を持つ

研究開発本部には7つの組織があり、これら組織が密接に連携して新製品を生み出します。
「開発部」は、持続可能な食と生活に貢献する製品のスピーディーな製品開発をリードする組織です。
「登録部」は、登録行政や事業環境の変化をプロアクティブに捉えたグローバルな登録戦略で事業成長・事業継続のための基盤安定に貢献する組織です。
「生産技術部」は、確度の高い生産技術の確立、継続的な製品のコストダウンにより、安定生産体制の構築や事業価値向上に貢献する組織です。
「農業化学研究所」は、革新的な新規原体・新製品・技術の創出を通じて、持続的な成長に貢献するイノベーション創出をリードする組織です。
「バイオロジカルソリューションリサーチセンター」は、生物の可能性を最大限に活かした低環境負荷の先駆的ソリューション創出をリードするために23年度に新設した組織です。
「知的財産部」は、自社技術の創造に関与するとともに、実施権の確保・他社の参入防止を通して事業価値の最大化に貢献する組織です。
「研究開発管理部」は、研究開発活動にかかる業務の円滑化・効率化を通して、研究開発の活性化・高度化・効率化に貢献する組織です。

国内外の研究開発の拠点

研究活動の国内拠点は、創薬研究の茂原地区、製剤研究の野洲地区、原体生産研究の大牟田地区、圃場の稲敷・小田原です。新設したバイオロジカルソリューションリサーチセンターは、茂原地区の他にも新木場のサテライトラボ、東北大学との共創研究所があります。

国内外の研究開発の拠点

海外ではタイに生物評価研究を行う拠点LAB-MCLS Thaiがあり、東南アジアでの研究活動にも力を入れています。またSolinnos Agro Sciencesはインドでの農薬登録を担っています。
本社には開発部、登録部、生産技術部、バイオロジカルソリューションリサーチセンター、知的財産部、研究開発管理部があり、本社機能として新製品の継続的な創出にかかわる重要な役割を担っています。

研究開発のプロセス

農薬の新製品にかかわる研究開発では10年以上の歳月と多額の費用を必要とします。
研究開発のプロセスは、研究ステージと開発ステージに分かれます。

① 研究ステージ

創薬研究では、農薬の主成分としての性能に主眼を置き、分子設計→有機合成→生物評価の研究サイクルをまわして目的とする原体を目指します。開発化合物を見出すと製造法検討や作用性解析、登録取得に向けた安全性データの取得など、より高次の検討を行います。
製剤研究では、お客様が使用する最終製品としての性能に主眼を置き、処方設計→製剤試作→生物評価の研究サイクルをまわして目的とする製剤を目指します。開発製剤を見出すと製造法検討や登録取得に向けた安全性データの取得し、実際の使用場面を想定したうえでの実践的な性能評価や営業支援データの取得を行います。

② 開発ステージ

製品を世に出すための開発と農薬登録などに必要な法的認可を取得するための登録対応、工場での生産の為の工業化検討を行います。併せて、マーケティング・営業と連携した販売に向けた上市準備を行います。

研究開発のプロセス>

研究開発のプロセスにおいては、研究ステージから開発ステージで、多種多様の基盤技術が必要となり、しかも必要となる基盤技術は刻々と変化します。

様々な基盤技術>

当社の研究開発は、さまざまな技術的背景を持つ研究者や専門職の連携により進めており、並行して、技術革新に対応すべく、DX活用などの最新の基盤技術の検討も継続しています。
公的機関や大学との連携によるオープンイノベーションの推進に加えて、研究成果の学会発表や論文投稿も積極的に行っています。若手研究者が国際学会で発表を行うなど、研究者としてのレベルアップの機会を増やしています。これまでの研究成果で学会賞等も数多く受賞しており、今後も活動を継続したいと思います。

研究開発出身者のキャリアパス

新卒者の多くは研究機能に初任配属します。まずは、研究者として研鑽を積み、学生時代の専門性を役立てるだけでなく、他の領域にも積極的にチャレンジし、企業研究者として成長していただきます。その後、本人の素養や希望、会社のニーズを踏まえて、キャリアパスを進んでいきます。ひとつの部署でキャリアを積む人もいれば、幅広い部署を経験して視野を広げていく人もいます。
ひとつの領域を研究者として深く追求していくキャリアでは、同分野の研究者から称賛を受ける研究成果を出した方もいます。専門分野を究めた研究者にはリサーチフェロー等の高度専門職として活躍するキャリアパスがあります。また、研究開発には高度な技術的素養が求められる様々な本社機能があり、研究出身者が数多く活躍しています。さらに、営業や生産調達、企画管理機能でも多くの出身者が活躍しており、多様なキャリアパスがあります。

若い研究者に期待すること

事業環境は常に変化し、我々が提供すべき製品・サービスと必要な技術も常に変化します。研究開発本部は様々な分野のエキスパートが集まった、ダイバーシティに富んだ組織です。新たなイノベーションを目指して、様々な強みをもつ社内外の人々との共同作業を通して研究を行います。若い研究者には、失敗を恐れることなく、新たなことへの挑戦を通して、自分の専門性を強化、或いは他の専門性を身につけて、自分を磨いてほしいと思います。
新たなものを生み出す研究活動そのものを楽しんでほしいと思います。また、チームワークが重要であり、最後にものをいうのは一人ひとりの人間力です。いろいろな背景や専門性を持つ集団の中で互いを尊敬し合い、幅の広い魅力的な人間を目指してほしいと思います。
特にこれから社会に出ようとしている方に強調したいのは、「実行こそがすべて」だということです。考えるのは誰でもできますが、実行して初めて成果を生むことができるからです。

高い志を持ち、主体的に考えて積極的に実行し、共に新しい時代にチャレンジする新たな仲間をお待ちしています!