オリゼメートの作用2.プロベナゾールの主な作用点
プロベナゾールには大きく分けて3つの作用があります。①活性酵素(O2−)の産生誘導によるアポトーシス(細胞死)、②植物自らが産生する抗菌性物質の産生力増強、③細胞壁の木質化により物理的に病原菌の侵入を阻止、これら3つの反応が連続して起こり、いもち病菌のイネ体内への侵入・進展を阻止します。
防御反応誘導におけるSAR情報伝達系とプロベナゾールの推定作用点
プロベナゾールはSAR情報伝達系の上流で作用するためPR遺伝子以外にも多くの防御遺伝子を活性化させ、防御反応を完成させていると推測されます。
遺伝子名 | 機能、特徴など |
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PBZ1 | PR-10。RNA分解酵素と類似したアミノ酸配列を持つ。 |
RPR1 | 抵抗性遺伝子産物と類似したアミノ酸配列を持つ。 |
リボキシゲナーゼ | 脂肪酸を過酸化させる酵素。過酸化脂肪酸は低抗菌性を示す。 |
キチナーゼ | 糸状菌の細胞壁にも含まれるキチンを分解する酵素。 |
β-1,3-グルカナーゼ | 糸状菌の細胞壁にも含まれるグルカンを分解する酵素。 |
パーオキシダーゼ | リグニンの生合成などに関与する酵素。 |
コーヒー酸メチル基転移酵素 | リグニンの生合成などに関与する酵素。 |
S-アデノシルメチオニン合成酵素 | エチレンの生合成などに関与する酵素。 |
受容体キナーゼ様蛋白質 | 抵抗性遺伝子産物と類似。病原菌の認識に関与。 |