土壌施用後の動態
本項は主に以下の文献を元に作成しています。
和田健夫(1983):植防防疫vol.37 17~21
牧野孝宏ら(1986):静岡農試研究報告No.31 23~30
被覆の有無と大気中への拡散
被覆の有無と大気中への拡散:1
クロルピクリン処理後の被覆による、気中濃度抑制効果
処理後に土壌をポリエチレンなどで被覆することにより、地表から大気中に拡散するクロルピクリン濃度を抑えられます。

被覆の有無と大気中への拡散:2
被覆の効果と拡散率
土壌を被覆することで大気中へのクロルピクリン拡散を、無被覆に対し濃度・量ともに1/6~1/7程度に抑えることができます。

ガス有効拡散範囲
ポリエチレン被覆と無被覆の場合のガス有効拡散範囲
ポリエチレン被覆によって土壌中のガス濃度を高く保ち、効果を高くすることができます。
無被覆の場合、表層部のガスが揮散し、効果不足を起こします。

土壌の種類
土壌の種類とクロルピクリン拡散
土壌の種類とクロルピクリンの拡散
山梨県韮山町火山灰土壌(埴土)

静岡県浜岡町海岸畑土壌(砂土)

- 注入後時間の経過とともにクロルピクリンが土壌中を拡散する様子がわかります。
-
砂土では拡散が速やかで6時間後には注入点から30cmまで拡散が認められますが、
濃度がピークに達するのは同地点で注入後24-48時間かかります。 - 埴土では、砂土に比べて拡散により時間がかかり、また濃度も低くなっています。
土壌微生物と植生に対する影響
土壌消毒効果に及ぼす土壌の種類と土壌水分の影響
処理条件:15cmの深さの地点(印)にクロルピクリン5mを注入し、1週間被覆処理後、イチゴ萎黄病菌の生息を検定。
9/9死滅、
8/9死滅、
7/9死滅、
6/9以下死滅
多湿条件

中湿条件

乾燥条件
